「肝高の阿麻和利」は、自分を成長させてくれる場所
~男性アンサンブル 高校2年生 大城 慎祐(おおしろ しんすけ)さん~
現代版組踊「肝高の阿麻和利」は、うるま市の中高生たちが演じる歴史劇(沖縄版ミュージカル)で、伝統と革新が融合した舞台作品です。沖縄の歴史と文化が息づくこの舞台は、10代の若者たちの情熱的なパフォーマンスによって生き生きと表現され、地域の歴史と文化の魅力を、沖縄県外・国外にまで広く伝える取組へと進化を続けています。
地元うるま市を盛り上げる「肝高の阿麻和利」の活動に参加しているキャストたちのインタビュー企画第5回目。今回お話を伺ったのは高校2年生の大城慎祐(しんすけ)さん。「肝高の阿麻和利」では、男性アンサンブルに参加しています。
自分の個性を出す「肝高の阿麻和利」に参加して思うこと
-「肝高の阿麻和利」に参加したきっかけを教えてください
元々自分の姉が阿麻和利に入っていて阿麻和利のことは知っていたんですが、入ろうという動機にはなっていなくて。でも、中学校に入って、阿麻和利役の福永勇飛也さんが、「一緒に入ろう」って言ってくれたので、入ろうかなと思って。でも、中学校のときはちょっとまだ遊びたいみたいな感じがあったので、高校1年生から入りました。
公演を見て、力の強さとか、声の迫力とかを聞いて、男性アンサンブルに入りたいなって思ってました。
-「肝高の阿麻和利」を通して、感動したエピソードがあれば教えてください
去年の卒業公演ですね。自分的に去年の卒業公演が初めての公演でした。今までお世話になった先輩たちが卒業するっていう実感が全然なくて。でも、1公演2公演って終わっていくうちに、「本当に卒業していくんだな」みたいな実感が出てきて、絶対泣かないと思ったんですけど、めっちゃくちゃ泣いちゃって、本当にもう卒業公演は感動します。
-「肝高の阿麻和利」に参加して変化したことはありますか?
自分は、人と話すのとかコミュニケーションがめちゃくちゃ苦手で、人見知りだったんです。手とか足が震えるし、声も震えるみたいな。阿麻和利に入ると、稽古始めの声出しがあるんですけど、最初、声出すのめっちゃ嫌でした。
でも、声出しもどんどん慣れていくうちに、声も出てきて。今でもちょっと緊張はしてるんですけど、全然前よりかはマシになったかなって思ってます。
先輩や大人の人たちと喋っていくうちに、敬語の使い方にも慣れて、喋れるようになりました。
男性アンサンブルを演じる上で難しかったことを教えてください
緩急っていいますか、場面ごとによっての表情管理も難しいです。声の出し方とか迫力とか、男性アンサンブルはずっと力を入れているんですけど、抜くところは抜いていて。
場面ごとに笑顔じゃなきゃいけないシーンもあれば、怖い顔をしないといけないとか、表情をはっきりさせないといけなくて、そういう表情管理が難しいですね。稽古のときに先輩たちに見てもらって、一つずつ指摘してもらって、どんどん自分で意識してやっています。
-「肝高の阿麻和利」の舞台を見てる人へ何を届けたいですか?
迫力もそうですが、団結感とかみんなのダンスの統一感も感じてほしいですし、さっきも言ったみたいに、みんな表情管理を頑張ってるんで、そこも感じてほしいです。
出演者は、役者とかダンスとかボーカルとか、みんな部門が違うんですけど、1人1人が個性を出していけて、みんながちゃんと輝くことができる、誰でもスポットライトを浴びることができるのが「肝高の阿麻和利」の魅力です。この舞台は、自分の個性を出せる場だなと思います。僕も頑張って個性を出しています。
-東京公演で感じたことを教えてください
本当にたくさんお客さんがいて、迫力がヤバかったです。東京に行けなかったメンバーもいるんで、行けなかった人の気持ちとか、その気持ちを背負うことの責任感っていうかそれも感じました。
でも、まだまだ県外の人たちに、「肝高の阿麻和利」を知ってもらえるチャンスとか可能性が全然あるんだなっていうのは感じました。
「見ていて感動しました」って、年齢に関係なくいろんな人に言ってもらえて、これから東京以外の場所でも感動してもらえるかもしれないというのは、強く感じましたね。
阿麻和利を通じて知名度を上げたい~うるま市の魅力~
-うるま市の好きなところ、 魅力を教えてください
景色がいいところもそうですし、文化も人の良さ(あたたかさ)もいいですよね。うるま市の人たちを一言で表すと、「フレンドリー」です。おすすめの場所は海中道路ですね。卒業生が運転する車でドライブもします。
あとは、芸能も本当に多いなと興味を持つようになりました。エイサーも、屋慶名とか平敷屋とかぐらいしか興味がなかったんですけど、いろいろなエイサーを見に行ったりして、文化には興味を持っています。足のあげ方とか声の出し方とか、エイサーによって結構違うなというのを気づくようになりました。
-今後、うるま市は、どんな場所になってほしいですか?
沖縄といったらうるま市というくらい観光スポットになってほしいですね。観光地になれば、阿麻和利の知名度も上がるじゃないですか。自分たちも誇りに思うことができるので、観光スポットになってほしいです。たくさんいいところもあるので。
-「肝高の阿麻和利」を通して地域にどんな貢献ができると思いますか?
東京とか沖縄県外にもうるま市のことをどんどん伝えていって、知名度を上げる可能性は全然あるなと思ってます。阿麻和利のことも知ってもらえたら、うるま市のことも阿麻和利のことも、知名度を上げる貢献ができるのかなって思います。
知名度が上がったら、 たくさん人が観光に来てくれて、文化とか景色とかうるま市の人たちの人柄とか、いっぱい体験してもらうことができるのかなって思ってます。
憧れの人は母 将来は人を支える仕事をしたい
-将来の夢や今後挑戦したいことを教えてください
将来の夢は、まだはっきりとは決まってないですが、地域とか人に関わっていく仕事とか、誰かを助けていく仕事はしたいなと思ってます。
阿麻和利に入って、本当にたくさんの人に支えられて、自分も活動できてるなって思って。1人では絶対できないじゃないですか。だから自分も、そういう支える立場になりたいなって思いました。
-憧れの人はいますか?
母ですかね。看護師をしているんですが、人を支えている仕事じゃないですか。めちゃくちゃ尊敬してます。まだ自分はどの職業とか、どんなふうにとかってのは決まってないですが。
-挑戦していきたいことはどんなことですか?
話すのが苦手なのですがもっと行動をして、阿麻和利以外のことでも自分の考えや思いをきちんと相手に伝えることを頑張っていきたいです。好きになりたいというか、頑張って挑戦したいです。
「肝高の阿麻和利」の発展のためにも、自分たちで宣伝していくことが大切だと思うんですけど、うるま市をまず知ってもらうことが大切かなって思います。
阿麻和利の活動の中でチャレンジしたいことは、ダンスしかやってこなかったので、役とか全然してなかったんですけど、何か役をしてみたいです。「肝高の阿麻和利」の続編「百十~MOMOTO」では男性アンサンブルが鶴松役を演じるため、そこに挑戦してみたいです。
-「肝高の阿麻和利」を一言で言うと何でしょう?
一言で言うと、自分を成長させてくれる場所です。友達にも勧めたいです。自分の友達も喋るのが苦手な子が多いんですよ。
阿麻和利に入っても、声を出すから嫌だとかあると思うんですけど、自分も元々そうだったし、「コミュニケーションとれるようになるよ」とか、「変われるよ」と言いたいです。
たくさんいろんなことを経験できたり、「いろんな感情を味わうことができるよ」っていうことを、みんなに伝えたいです。
2023年11月29日(水)Interview